放射能と放射線
「放射能」とは、文字通り放射線を出す能力のある物質、またはその性質のことで「放射線」はそこから放出される電磁波の一種です。
厳密には「被爆」というのは、原爆によって放射線や放射性物質を浴びることで、「被曝」とは放射性物資をうっすらかぶったり、吸い込んでしまうことです。
したがって今回は後者の「被曝」ということになります。頭からかぶっただけ(外部被曝)なら払い落としたり洗い流したりすれば、ほとんど問題はないのですが、吸い込んでしまう(内部被曝)と話は別です。なぜなら、その物質は身体の中にとどまるので、ずっと身体の中から放射線が出続けることによって、長期間浴び続けると病気になってしまう可能性があるからです。
ただ、人間は自然界からも世界平均で年間2,4シーベルトの被曝をし続けますから、被曝をしたと言ってもただちにどうこうなるわけではありません。
これは極端な話ですが、真っ黒に日焼けするなど、太陽からの紫外線などの放射線によって被曝する量のほうが多かったりします。・・・というのも、ブラジルなどでは実際に、平均で10シーベルト前後になる地域もあるからです。また、飛行機で羽田〜NYを往復すると宇宙線により0.2シーベルトの被曝をしてしまうそうです。
また、ラジオやテレビや携帯電話の電波、赤外線や可視光線、紫外線なども広い意味では放射線に含まれます。しかしこれらは健康への影響が小さく、主に外部被曝で問題となるのは、レントゲン検査などで使われるX線や、原子核から放出されるアルファ線、ベータ線、ガンマ線などです。
何を言いたいかというと…、あまり神経質になりすぎず、正しい情報を得るなどして冷静に行動することがとっても大事だということです。いざと言う時にはなるべく吸い込まないように、水で濡らしたハンカチやマスクをするなどで、かなり防護することができるとされています。
被曝対策自体の扱いは、いわば花粉症の対策と似たような感じです。したがって、長袖、帽子をかぶり家に入る前に払い落としてシャワーなどを浴びることを心がけましょう。